研究レポート

ロボットの定義

著者:弁護士・弁理士 南部朋子

2005/6/7

ロボットの定義を教えてください。


ロボットの定義は、決まっていません。法律上の定義も見当たりません。

 労働安全衛生規則第36条31号には、「産業用ロボツト」の定義として「マニプレータ及び記憶装置(可変シーケンス制御装置及び固定シーケンス制御装置を含む。以下この号において同じ。)を有し、記憶装置の情報に基づきマニプレータの伸縮、屈伸、上下移動、左右移動若しくは旋回の動作又はこれらの複合動作を自動的に行うことができる機械(研究開発中のものその他厚生労働大臣が定めるものを除く。以下「産業用ロボツト」という。)」との規定がありますが、ロボットの定義を一般的に定めた法律は見当たりません。

平成17年5月12日に公表された、経済産業省「ロボット政策研究会」の中間報告書においては、ロボットの定義について、「『センサ』、『知能・制御系』及び『駆動系』の3つの要素技術があるものを『ロボット』と広く定義することとする。(中略)ロボットの定義を別の言葉で示すとすれば、「知能化した機械システム」という表現が適切である。」としています。

以上に対し、
三省堂「大辞林 第二版」では、

(1)  人造人間。電気・磁気・音波などにより、身体の各部を巧妙に動かしつつ様々な仕事をする人形。
(2)  人間に類似した動きや形態を持ち、複雑な動作をコンピューター操作により自動的に行う装置。「産業用―」
(3)  他人の指示のままに動く人。傀儡(かいらい)。
などと定義されています。

また、岩波書店「広辞苑 第5版」では、
(1)  複雑精巧な装置による人工の自動人形。人造人間。
(2)  一般に、目的とする操作・作業を自動的に行うことのできる機械または装置。
(3)  他人に操縦されて動く人。傀儡(かいらい)。
などと定義されています。

 他には、ロボットとは、外界のデータを取り込み、その意味を理解して、何をすべきかを判断し、結果として人に役立つように働きかけるシステムである、という定義もみられます(岩波書店「岩波講座 ロボット学1 ロボット学創成」55ページ)。
 上記の三省堂「大辞林 第二版」の定義では、ロボットは人間の動きや形態に類似していることが一つの要素とされているようです。このような定義は、これまでの、ロボットに対する世間一般のイメージには合致しているといえます。
 ロボットに期待される多様な役割から考えると、将来、ロボットが法律上定義される場合には、法律ごとに、その立法趣旨に沿った様々な定義がなされることになるものと思われます。

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